top of page
執筆者の写真裕子 小野寺

叱責よりも作戦会議

更新日:9月29日

子どもの頃発達障害の特性ゆえにたくさん怒られた学生さんに、その時どうしてほしかったかお聴きしたところ「怒るんじゃなくどうすればいいか一緒に作戦会議をして欲しかった」と返事が返ってきました。 そうだよねーとすごく納得。 どうすればいいかわからず困っている時にただ怒られたらちょっと辛いですよね。 

「怒るんじゃなくてどうすればいいかちゃんと教えています」という声も聞こえてきそうです。 それもいいのですがやもすると一方的な指示になってしまうこともありますね。 相手は子どもだし教えてあげなきゃ、ご自身の大切なお子さんならなおさらどうにかしてあげたい、どうにかしなきゃっていう気持ちになるかもしれません。 そこをぐっと抑えて一歩子どもの目線まで下りてみる。そして一緒にどうすればいいか考えてみます。

 作戦会議をしても始めは本人から建設的な話は出ないと思います。「わかんない」「だって」とか「今度からはちゃんとやるから」とか言われるかもしれません。 そんな時はこんな質問をしてみてください。


 ① 問題となっていることについてうまくいった時のことを聞く(またはうまくいった時のことを「あの時はこうだったよね」とフィードバックしてあげる)

 ② もし魔法みたいに問題が解決したらどうなるか聞く 


この質問をすると今まで気がつかなかった本人の本音がみえてきたり、解決策が浮かんできたりします。


 本人にとって一番いい解決方法は本人が知っています。


 作戦会議でなかなか問題が解決しないこともあります。親子ゆえにうまく話し合えないこと、忙しくてゆっくり話している時間がないこともあります。 そんな時は専門家に相談してみてください。

今回紹介した①②は解決志向アプローチ(ブリーフセラピー)という心理技法です。解決志向アプローチが得意なカウンセラーさんを探してみるのもいいかもしれません。 


【参考文献】 E.V.ブリス&G.エドモンズ、ビル・オコンネル序文、桐田弘江・石川元訳「アスペルガー症候群への解決志向アプローチ ―利用者の自己決定を援助する」2010,誠信書房. 



閲覧数:0回0件のコメント

最新記事

すべて表示

コメント


bottom of page