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執筆者の写真裕子 小野寺

神経発達症(発達障害)の認知行動のメカニズム

更新日:9月29日

神経細胞のニューロンの活動性が一様になるとASD(自閉スペクトラム症)に類似する認知行動の特性が示されたという研究があります。

 早稲田大学と国立精神・神経医療研究センターの研究で、神経回路モデルを搭載したロボットの学習実験をしたところ、ニューロン群の活動性が一様なモデルのロボットは、認知の柔軟性の低下や汎化能力の低下、運動のぎこちなさ、感覚過敏などの認知特性が見られたそうです。 

実験ではニューロン群の活動性が多様なモデルと一様なモデルのロボットを用意し、ボール遊びを学習させた後、実験者とボールパス交換をしたそうです。その結果、活動性が多様なモデルのロボットは環境変化に応じた柔軟な行動の切り替えをし、一様なモデルのロボットは切り替えに失敗したとのことです。(※1) 

ニューロン群の活動性が一様なため感覚刺激に対する反応が過剰になり神経回路の情報表現能力が過度に上昇し、そのためにASDのような特性が現れたのではということのようです。 

 何となくロボットとASDは違うよなと心の片隅で思いながら、ただASDの人の疲れやすさや脳疲労は、ニューロンの活動性が一様なため感覚刺激に対する反応が過剰になるからなのかと腑に落ちました。 


 早稲田大学 国立精神・神経医療研究センター(2020)「神経発達障害の認知行動異常のメカニズムを解明」20200812press.pdf (ncnp.go.jp)(2023.10.23参照) 

※1Hayato Idei,Shingo Murata,Yuichi Yamashita,Tstuya Ogata(2020): A Robot Model of Neurodevelopmental Disorder (frontiersin.org)(2023.10.23参照) 



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