限局性学習症(学習障害、LD)は、医学的な表現をするとLearning Disorder、教育的立場ではLearning Disabilityと2つの考え方があります。
〇医学的には、神経発達症(発達障害)のひとつに分類されています。
読みの問題では、不正確で速度が遅いことや、発音や意味理解、読字の困難さなどがあり、 書くことの問題では、誤字脱字、文法の間違い、段落をまとめられない、などがあります。
算数技能の問題では、数字の概念や計算の習得、数学的推論が難しいことなどがみられます。
これらの問題のうち少なくとも1つが存在し6か月以上続いている状態のことを限局性学習症といいます。
〇教育的立場の学習症は、全般的な知的発達に遅れはないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった学習に必要な能力のうち、一つないしいくつかがうまく習得できず、学習するにあたり困難がある状態のことをいいます。
LD学習障害(限局性学習症:Specific Learning Disorder: SLD)
〇発達性ディスレクシア(発達性読み書き障害)
限局性学習症の一つに分類 されており、聴覚や視覚などの感覚障害がなく知的発達も遅れがないが、文字などがなかなか習得できない状態 をいいます。
ひらがなやカタカナ、漢字をなかなか覚えられないことや、音読の速度が遅かったり、読み飛ばしが多かったりします。
学習障害(限局性学習症)は努力しても文字や数を覚えるのが困難なため、特に学習面での成功体験が得られにくくなります。周囲からは努力不足と誤解されることもあり、自信を失い消極的になることもあります。
学習障害がある場合、学校や職場で合理的配慮として苦手なところを補う代替措置を考えてもらうとよいでしょう。書く代わりにパソコンやタブレットの使用、読むことが苦手なら読み上げてくれるアプリを使う、試験の時間延長などの配慮が考えられます。
【参考文献】
発達性ディスレクシア研究会「ディスレクシアを理解するために」
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