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執筆者の写真裕子 小野寺

TSプロトコール・チャンスEMDR

更新日:11月11日

TSプロトコールとは、子ども虐待と複雑性PTSDへの簡易処理技法で、トラウマ治療のEMDRから派生した治療法です。

パルサーという振動を出す機器を両手に持ち、おなかや鎖骨の下などにあてて体に残っている不快感を頭のてっぺんから出していくイメージで行います。


EMDRとの違いは、記憶を想起しないことにあります。トラウマ記憶を想起せずに身体の不快感、違和感をターゲットにアプローチしていくボトムアップ型の技法です。漢方薬などの処方とTSプロトコールを合わせて行うことでフラッシュバックが改善されるようです。

記憶を無理に思い出さずに短期間で治療を行うことで安全に治療を行うことができます。1回10分ほどの治療を4~6回程度おこなうとフラッシュバックが軽減されるようです




また、自閉スペクトラムの方のタイムスリップ現象には同じくパルサーを使った「チャンスEMDR」という方法もあります。イメージしながら目を動かすことが苦手な方や、トラウマ記憶がたくさんある方などに向いている技法です。


フラッシュバックやタイムスリップ現象で悩んでいる方に、できる限り安全な方法でトラウマケアを提供したいと思います。当相談室でもTSプロトコールやチャンスEMDRを取り入れていきますので、お困りの方は一度ご相談ください。


ハピネス発達心理相談室



【参考文献】

杉山登志郎「テキストブックTSプロトコール 子ども虐待と複雑性PTSDへの簡易処理技法」日本評論社,2021

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