解離性障害
- 裕子 小野寺
- 7月10日
- 読了時間: 3分
更新日:7月19日

解離とは
解離とは、トラウマとなる出来事や非常に強いストレスにさらされ、その体験が自分の心のキャパシティーを超えてしまった時に起こると考えられています。
解離では一時的に記憶や現実感が失われること、自分の考えや身体が自分のものではないような感覚になることなどが起こりますが、これはトラウマ体験やストレスから自分の心を守っていると考えられているのです。
解離の症状には解離性同一性障害、解離性健忘、離人感・現実感喪失症、解離性遁走などがあります。
解離性同一性障害は、自分とは違う別な自分がいるような状態になります。一昔前には多重人格とも呼ばれていました。普段の生活で前面にでている自分の他に、別な人格をもった人が複数人いることもあります。
それぞれの人格にそれぞれの役割があり、存在する理由があると考えられています。
解離性健忘は、特にトラウマ体験やストレスフルな出来事の記憶を思い出せなくなる症状です。とてもストレスのかかる出来事の後、気が付いたら違う場所にいて、どうやってそこまで行ったのか覚えてないことがあったりします。
離人感・現実感喪失症では、現実感が薄れることや、自分を外からぼーっと見ているような感覚になることがあります。ふわふわして自分が自分ではないような感覚を訴える人もいます。
解離性遁走では、自分のアイデンティティが失われ、いつもの生活の場所から突然いなくなり別な場所で別な人として暮らし、その前後の記憶などが失われてしまうことがあります。解離性同一性障害で解離性遁走が生じやすいともいわれています。
解離の症状がある場合は、まずは安心できる場所をつくることが必要です。トラウマ体験やストレスのかかるところから離れ、安心安全な場所にいられるようにします。
解離の症状は理解されにくいところがあります。人格が複数人いることや記憶を思い出せないことなど、作り話なのではないかと思われてしまうと、よけい傷が大きくなってしまいます。
安心して話のできる解離に理解のあるところで相談するのがよいでしょう。
自分を表現し受け入れてもらうことで少しずつ解離症状は改善していきます。
トラウマ・解離性障害とは
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【参考文献】
American Psychiatric Association (2000) Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition. 髙橋三郎・大野裕(監訳 2014)DSM-5精神疾患の分類と診断の手引き, 医学書院.
岡野憲一郎(2022)「解離性障害と他者性 別人格との出会いと対話」岩崎学術出版社