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聴こえているのに、聞き取れない ― 聴覚情報処理障害(APD)と発達障害
聴こえているのに聞き逃してしまう 「聴力検査は正常。でも、授業や会議になると急にわからなくなる」 「雑音の中で言葉が聞き取れず思考が停止する」 そんな“ズレ”を抱える人がいます。それが「聴覚情報処理障害(APD)」です。 APDは、聴覚の器質的な問題というより発達特性や注意や記憶などの認知的な問題、心理的な問題などの要因があると考えられています。 ■ APDは単なる「聞こえの問題」ではない 近年の報告では、APDの背景には 注意の持続や選択の難しさ ワーキングメモリの弱さ 不安や緊張などの心理的要因 など、複数の要素が絡み合っていることが指摘されています。 たとえば、周囲がざわつく教室で先生の声だけを拾うには、「不要な音を抑え、必要な音に注意を向け続ける力」が必要です。この力は、発達特性とも深く関わります。 ■ 発達障害との関連 APDはADHDやASDなどの発達障害と重なりやすい特性が多いようです。 ADHDのある人 → 注意の揺れやすさ、聴覚情報の保持の難しさが影響しやすい ASDのある人 → 音の選択的注意や感覚過敏、言語理解のスタイルの違
裕子 小野寺
2月15日読了時間: 3分


「失礼な人」に見えてしまう理由 ― 会話には「所有権」がある ―
会話には「所有権」がある 「職場で普通に話しているつもりなのに、なぜか失礼な人だと思われてしまう」 「雑談がうまくできない」 支援やカウンセリングの現場で、こうした相談を受けることは少なくありません。 ご本人には悪気がまったくなく、「何がいけなかったのかわからない」と戸惑っていることも多いです。 そんなとき、説明のヒントとして役立つのが 「行為と発言の所有権」 という考え方です。 会話には「誰のものか」がある 私たちは会話の中で、無意識のうちに 「この話題は誰のものか」を行き来しています。 所有には大きく分けて、次の2つがあります。 知識による所有 専門知識、情報、判断、方法 経験による所有 感覚、気持ち、体験、つらさ、主観 この所有を取り違えると、 内容が正しくても「失礼」「わかっていない」と受け取られてしまうことがあります。 〇医師と患者の例 たとえば、医師と患者の関係。 患者が所有しているもの ・痛みの強さ ・つらさの感じ方 医師が所有しているもの ・症状の評価 ・治療の選択肢
裕子 小野寺
2月2日読了時間: 3分


集中のしかたが違う―モノトロピズムという視点―
「集中しすぎる」のではなく、「集中のしかたが違う」―モノトロピズムという視点― 「一つのことに極端に集中してしまう」「切り替えが苦手」こうした特徴は、自閉スペクトラム症(ASD)の特性として語られることがあります。 しかしそれは、「集中しすぎている」のではなく、注意の向け方そのものが異なると捉えることもできます。その理解の手がかりとなるのが、モノトロピズム(Monotropism)という理論です。 モノトロピズムとは、注意を一度に少数の対象へ深く向ける注意のスタイルのこと。多くのことに同時に注意を向けるスタイルと比べると、一点を強く照らすスポットライトのような集中が起こります。 この特性があると、興味のある分野には非常に深く没頭できます。時間を忘れて集中が続き、学習や創造的な活動に力を発揮しやすい、いわゆるフロー状態に入りやすいことも特徴です。 一方で、その注意を急に別の対象へ向けるには大きな負荷がかかります。突然の予定変更や声かけ、同時進行の作業などは、意思や努力の問題ではなく、注意の仕組み自体に強い負担を与えます。 そのため、支援の視点は「集
裕子 小野寺
2025年12月19日読了時間: 2分
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